2008年02月19日

国家の罠

kokkanowana.jpg

国家の罠 ~外務省のラスプーチンと呼ばれて〜

佐藤 優 / 新潮文庫
外務本省国際情報局分析第一課に勤務していた著者が、'02年5月、背任・偽計業務妨害容疑で逮捕、長い収監生活を経て起訴され、執行猶予付きながらも有罪判決を受け、上告中の事件を被告自らが経過を追いながら語る外務省の実態と東京地検特捜部の捜査の現実を著者なりの解釈と記憶、資料により綴ったものだ。
そこには、当時の小泉政権下での稚拙の上に拙速、その上強引なファッショ体質が散見し、外務省内部での保身と欺瞞に満ちた権力闘争、政治家同士の中味の乏しい私怨的対立、それに伴う対外施策の遅延と失態が細かく説明されている。
外務本省勤務、それもロシア関連を扱う部署だったが故の緊張感にとんだ勤務実態であったろうと推測できるが、それ故の知り得る情報も少なくないのであろうが機密事項も多く含むことにより一番語って欲しい対外ネゴシエート情報は殆どないと言ってよい。しかし、ロシアやイスラエルなどの政治家や官僚のエピソードには興味深いものも語られている。
惜しむらくは、自らの事件の顛末ということで“自己満足”的記述があるのはこういった事件を俯瞰で公平な立場に身を置いて読みたいと思う私のような人間には少々辛い部分ではあるが、佐藤優自身の主張がなければこの本も成立たないのであるから致し方ないのかも知れない。
しかし、“国策捜査”における東京地検特捜部の非常に強引な捜査には今更ながら驚きを禁じ得ないし、担当検事の「これは国策捜査なのだから、どのようにも事件(犯罪)を作れるのだ」という権力を笠に着た物言いには憤りを感じる。
ところが、勾留が長引き、取り調べが進むにつれて著者と担当検事の間に通じ合う感情のようなものが表れ、通常なら考えられないとも思われる配慮を検事がみせるなど、特捜と外務省員の駆引きが面白い。

また、この本についてはasianimprovさんのblogに詳細がある。興味の有る方はどうぞ。

http://asianimprov.at.webry.info/200712/article_14.html
posted by tori's 108 at 19:00| Comment(30) | TrackBack(0) | books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「怪しい」という先入観であまりこの人の書いたものを読んだことがなかったのですが、最近ようやくに連載モノを機会があった時には読むようになりました。なかなかわかりやすく面白いのでいかにイメージがあてにならないか認識したと同時に、あの怪しさがなければできない仕事だと感心しました。また、ご指摘にありますように、そこを聴きたいところを書かない(書けない?)ところに、レベルの大きすぎる差があるとはいえ、実際に現場に居た人間の気持ちが伝わってくる気もします。
だいたい、テーマを与えられるとまるで猟犬のようにそれだけを追ってしまい、気付くと後ろになは誰もいない、目の前は崖ということは多いですね。何だかへんな共感を持ってしまいました。
−段々、日本人から離れてしまう容貌も同様(爆)
Posted by J・AGE at 2008年02月20日 05:41
そうだ、Jさんも仕事やメンタル面で似かよった部分があるでしょうからうなずく箇所は多いかもですねぇ。彼は神学系のノンキャリと言う外務省でも珍しいかもだが強かなやり手ではあったようで、他の著作も機会が有れば読んでみようと思います。
Posted by torigen@携帯 at 2008年02月20日 08:45
昨今のニュースにも見受けられる、とんでもない重大事件が国策により矮小化されて済まされてしまう。

せめて命令を出す親分を選ぶ自由は欲しい、という事か、犬であっても。
Posted by 泥水飲込 at 2008年02月20日 10:20
>とんでもない重大事件が国策により矮小化…

だけならまだしも、政治家・官僚の無為、無策でニッチモサッチモ行かなくなってしまうとか、退職金を何度もせしめる為だけの組織作りに血道を挙げて、税金を取り逃げする官僚を見て見ぬ振りetc。
京都の行政でも水道や清掃局など毎日仕事を中抜けしてパチンコに精だす輩にやっと重い腰を上げて…などと能天気なことやってる市や府。これでは正義とは何かと子供たちに語れないわなぁ。
Posted by torigen at 2008年02月20日 17:07
公僕という言葉と職責に誇りを持って欲しいです。迷いに迷って先達の言葉で答えをみつけると「当たり前」なことに気付きます。当たり前なことが当たり前に進むことの大切さ、そして当たり前な姿勢が評価され感謝される世の中であってほしいです。どぶ川に腰までひたってどぶさらいしている人を毎日思い浮かべないまでも、「縁の下の力持ち」が死語にならないような世であってほしいです。
Posted by J・AGE at 2008年02月20日 18:30
努力は報われると。
ずるい人が得をすることは無いんだよと。
そのように教えています、子供には。

Posted by 泥水飲込 at 2008年02月20日 18:57
子供には。…なぁ、汗。

ずる賢くて自己中な輩ばっかりが良い思いしているような気もするけどネ?大人の世界では、わはは。
考え出したら矛盾ばかりで良い睡眠を取れなくなってしまうので、ほどほどに…。
Posted by torigen at 2008年02月20日 19:15
こういうときに黙々と(というかきっと壮烈なんでしょうが)よい作品製作を続けるアーティストって感動的な存在だな〜、とか思います〜。
今も夕食を採りつつBGMを無理矢理かけつつ「あ〜これいいな〜。でも売れないだろうな〜。」などと(爆)。「いいな〜、これ。」とか思われるための仕事ってのもよいですね〜。

いかに半ば仕事とはいえカラオケ屋で絶叫していないで、ギターを弾くことで音楽は表現しないといけないと思いました(爆)。
Posted by J・AGE at 2008年02月20日 20:00
実務に携わる人々も体力的、物理的に想像以上の負担を強いられている訳ですが、音や造形、絵画などで生計を立てている人々も生み出すパワーは底抜けに自らを消耗するかもですから、大変ですよネ。
創造性が押し寄せる波のようにキテる時は良いのでしょうが、一旦途絶すると…恐。
いやぁ、いつもなら困るかもですが、絶叫も良いんじゃないですかネ?Jさん。
そういう意味で言うとカラオケもやらなくて、楽器も出来ない、スポーツも最近無し、後は飲むかLiveを聴くだけという発散法はどうなのでしょう、汗。
ノーパンしゃぶしゃぶ接待を受ける訳でもなく、只ただ、毎日を凌いでいるってのも結構疲れますヨ!がはは。
Posted by torigen at 2008年02月20日 20:19
そ、そんなたいした紹介でもないのに・・(笑)

J-AGEさんの「怪しい」という表現はまさに的を射ていて(笑)、理論と実践が伴う人ってのは「怪しい」のです。「怪しい」だけでなく「恐ろしい」存在でもある。特に、東大卒のキャリア官僚たちにとっては・・。同志社大卒のノンキャリアなんて、彼らにとってはゴミのようなものでしょう。しかしそのゴミが邪魔になった・・という。

「実践だけの人は馬鹿にされ、理論だけの人は尊敬され、理論+実践の人は恐れられる」と昔言った人がいますが、佐藤優のような「恐れられる存在」は、「国策捜査」で強制排除させられるのだ、ということだろうと思います。

但し、佐藤優の実践面は面白いけれども、理論家としては突っ込みどころが多いし、この人の意見をそのまま肯定するのはどうかと思います。とはいえ、相手を罵倒することしかできない評論家たちに比べれば、鍛えられかたが違うけどね・・
Posted by asianimprov at 2008年02月20日 20:52
わはは、asianさんのおっしゃる通りですネ。
Jさん曰くの「怪しい…」ってのも判りますです。東大卒のキャリアにとっては全く異質なんでしょうね?同志社神学専攻ノンキャリってのは…わはは。ま、彼らは世の中のあらゆる免疫がなされてませんから異質な物質が体内に入り込むと対処に困るのかも知れませんね。ま、同志社内部でも結構異質だったようですけれど、わはは。赤ヘルのなかの黒ヘルだった訳で…。著者は私と同学年、生年は一年後ってことみたいです。
しかし、こういった経歴が異質に見える官僚組織自体が世界的に見ると異質なのかも知れません。
キャリア、ノンキャリアに関わらず、一斉に用意ドン!のほうが能力差が見極められて公正な気がします。たまに理論だけの人が政界外から内閣に入ったりしますが、これはまたコレで何ともはや。

自己の矛盾を自己陶酔に変化させているような部分も有りで、理路整然としているようでいて何の答えにもなっていない処も散見します。そのまんま肯定は私も出来ないです、わはは。
Posted by torigen at 2008年02月20日 21:19
そうだ、足跡を残していませんが(土足で踏み込んでおいて)、asianimprovさんのところもお邪魔しています。すんごい量の消化で脳内胃液(?)の強さに驚きです。
むかし中沢新一氏が「社会は自分たちと違うモノを異端として吐き出す」というような主旨を書評で言っていましたが、国の場合、本来一番大きくモノをみる社会であるべきなのに、全く異質や異才を受け入れない、そればかりか異歴(?)などもっての他。ノンキャリには佐藤氏のような異才とは言わないまでも、実務に長けた「話しやすい」人物もかなり居ます。が、こうした「一般的」な人や異才を排除するのが、実は大多数を占める初級採用のシンジケートであったりすることがあります。
Posted by J・AGE at 2008年02月21日 08:08
人間は変化を好まない。それが基本的な・一般的で。偉い人もそうでない人も同じ。
楽な方に・楽な方に流れる。これも同じ。
これを自覚して、なにをどう変えるか?というところに行かないと、もう先は見えている。

ゴンちゃん、君はどうして毎日のように人がご飯を食べている時にトイレをするのかな?あそんであげないぞ〜
Posted by 泥水飲込 at 2008年02月21日 09:31
日本の官僚はどちらかというと仕事はコナしてる人が多いんでしょうね。夜昼関係なく働いていることも多々有りでしょうから。しかし、その仕事の内容にもよるし、自分の省庁しか頭に無いし、ある程度慣れたら事なかれ主義を押し通して定年を待ち、満額退職金を受け取って次の天下り先へgo!そして一二年時間をつぶして退職金もらって、次の天下り先へgo!…などと考える…。
これじゃ、金の亡者になりたいが為に官僚になったみたいで…わはは。
Posted by torigen at 2008年02月21日 12:22
官僚って、、、踊る〜の室井さんみたいな人は居ないのかいな、、、ねぇ。

Posted by 泥水飲込 at 2008年02月21日 17:58
ま、日替わりのようにクルクル変わる大臣と違って自分たちが日本を動かしているんだ!と自負している人は多いんでしょうね。で、ホントに頑張ってやってる人もおられるとは思いますが、各省庁が自分たちの処のみを守ろうとする狭い視野が一番の問題なのでしょう。どの省庁も国民の為に存在する筈なのにそちらは放って置いて己の処ばかりを向いてしまうってのは本末転倒ですわな。で、省内の者の将来は真剣に考えても国民一人ひとりは知らん…みたいな。年金、社会保険、道路行政…何をとってみても自分たちの権益しか考えないからこんな問題が起こるのであります。
なので、受験の為のテクニックだけに長けた頭の回転は早いけれど物事の本質をじっくり考えたことがないこの国で言うところのエリートたちに、慈しみの心とか寛容、公正など言っても理解できないのかも知れません。だって、人を蹴落としてでも試験で合格したかった人たちでしょ?わはは。堀江が良い例かもだけど、頭は良いのかも知れないが自己本位主義の塊ですわな。あんなのをチヤホヤする人間の気が知れないけれど、やっぱすり寄っていい思いしたかったのでしょうね、そんな人たちは。ふぁっく!(失礼)わはは。
Posted by torigen at 2008年02月21日 19:21
栃木県北部、嵐です。
吹けよ風・呼べよ嵐です。真っ暗です。
Posted by 泥水飲込 at 2008年02月23日 13:19
やっときてくれたか…わはは。

こちらも風が強いなぁ、明日は渋谷さんのLiveだというのに…。で、今日は酒を控えめにしてたらなんだか手持ち無沙汰で…汗。
Posted by torigen at 2008年02月23日 13:44
あはは、ごめんね、鳥兄。

こっちも、、来月は赤城ケイ・トリオが来るらしくて。1年前のライブはそれはもう凄かったからね〜

1時過ぎの時間で真っ暗になり雷が鳴り、、、今は明るくなったけど、強風。名古屋の仲間も強風だとメールを入れてきました。全国的になのかな?みなさん気をつけて!
Posted by 泥水飲込 at 2008年02月23日 14:35
あかん、明日は午後からずぅ〜っと外だというのに雪が積もってきた…汗。
飲んでないで寝よ…爆。
Posted by torigen at 2008年02月23日 22:46
春一番だったのか〜、と感動。
今朝は強烈に寒いです。

三浦和義がアメリカで捕まったのですね。
アメリカの捜査当局ってやるときはやりますね。
執念だな〜。
Posted by J・AGE at 2008年02月24日 08:45
ケイ赤城さん、去年会いました。友人ではないのですが、「友人の友人」という、どこかの国の法務大臣とアルカイダみたいな関係なので(笑)、話しかけたら喜んでくれました。

米国暮らしが長く、ツアー以外は音楽学部の教授としてUCIで教えておられるので、「日本語がすぐ出てこない」とすまなさそうにされておられました。しかし、演奏はあのように(笑)光速で走るので、そのギャップがカッコイイです。

赤城さんの演奏は1曲が15分前後あるので、間を取るために、曲の説明をします。僕は、演奏者は自分の書いた曲についていちいち説明してから弾く必要はない、という持論を持っていますが、赤城さんだけは許します。

日本語を探しながら、美しい言葉遣いで聴衆に語りかける姿勢は好きですね。マイルス・バンドの正規メンバーまでになった人ですが、恒例になった日本ツアーを心から楽しんでおられます。日本側のドラムス&ベースも恐ろしいほど高度な演奏をしてくれるし、ある意味、ジャズの最先端に居るのが赤城さんかもしれません。

いや、ジャズでなくてもいい。「ケイ赤城の音楽」で充分。「ジャズ」にしがみついているのは「辛口」とかほざいてしょうもないものを書き散らしているアホなジャズ喫茶の店主だけで充分です。(苦笑)
Posted by asianimprov at 2008年02月24日 08:46
今日は雪です、汗。

先ず、「American Gangster」をMovix京都で観てから拾得へとブラブラ行こうと考えてますけれど、雪が心配であります。スンゲー寒そうです。
Posted by torigen at 2008年02月24日 09:44
物凄い風が吹いています。姑息道路はこのあたりは通行止めです。3cm程積っていた雪が吹き飛ばされてキレイになってます。

ケイ赤城さんは〜とてもよい人でした。一年前のライブはその脇を固める二人も物凄いし、ジャンルレスでハイテンションな演奏を繰り広げてくれましたので楽しみです。

鳥兄、出かけるときは気をつけて!みなさんも!
Posted by 泥水飲込 at 2008年02月24日 11:42
今帰ってきました。
雪は止んでたけれど、メッチャ寒いし会場まで時間をつぶす店は開いてないしで…わはは。

いやぁ、松倉さんのvoはこれまたブッとんでるし、船戸さんのベースは渋いし、取りあえず満杯だったのにはビックリしました。近所の何処にもそういった人影が見当たらないのに拾得だけが別空間でした。渋谷さんとも少し話しましたが、いつもの渋谷ペースで…わはは。後半、気づいたらasianさんも!和美さんはいつものように…という訳でいつもの登場人物はしっかり登場した夜でした。
Posted by torigen at 2008年02月24日 22:25
最終電車の1本前で無事帰宅しました。さすがに京都の寒さは身に染みます。

近鉄特急は暖房が効いているのに、普通電車はすきま風が入って非常に寒い。有料特急に乗せようという魂胆だ。

松倉さんは「不思議系」で良かった。渋谷さんが連れてくる女性歌手はそれぞれ面白いので困る。
Posted by asianimprov at 2008年02月25日 00:35
楽しかったようですね、羨ましい限り。

朝から「屋根が飛んだ」「倒木で車がペシャンコだ」「看板が倒れた」、、、、などの事故報告が多数。被害もかなりのものになるかな、、、疲れたぁ。
Posted by 泥水飲込 at 2008年02月25日 15:31
asianさん、ご苦労様でした。
ほんと、寒かったですネ。しかし、余計に渋谷さんのピアノがあったかく感じられたひと時でした。
明くる日が仕事だと余韻に浸ったり渋谷さんたちと話したりする時間が少ないのが困ったものですが…わはは。相変わらず拾得の雰囲気も昔のまんまで心和みました。

泥さん。

こちらがどれだけ底冷えだといっても、そちらは本場だからなぁ…。
Posted by torigen at 2008年02月25日 17:30
うん、都内からすると3〜5度くらいは気温が低いと思います、が、底冷えってまた違うよね、、、感じが。

ロス疑惑って若い人は知らないよね、、、騒いでるけど。
Posted by 泥水飲込 at 2008年02月25日 20:06
非常に怪しい人ですけれど、法解釈で考えると少し?な逮捕でもありますネ。メディアの勝ってな興奮がおもっきしナンセンスであった事が一番思い出されます。

そうそう、底冷え。本日朝一番もたいへん寒かったであります。郵便配達のバイクもプラ製チェーンみたいな?ものを巻いてる人もおりましたデス。
Posted by torigen at 2008年02月25日 20:50
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