2006年09月15日

ANGELS & DEMONS

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 ANGELS & DEMONS / Dan Brown
「天使と悪魔」(上)越前敏弥 訳 角川文庫

 


 

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2006年08月31日

Quatrevingt-treize

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Quatrevingt-treize 1.2 / Victor Hugo
九十三年 ヴィクトール・ユゴー
辻 昶 訳
1954年2月5日(岩波書店)の再版、潮出版社


1793年、フランス革命のさなか王党派、共和国軍、コミュニストが入り乱れてのまさに「恐怖の時代」、ルイ16 世の処刑と各派の権力闘争の激化する中起こったヴァンデ地方の王党派による反革命ヴァンデの反乱を軸に政治、人間愛、信仰を問うたVictor Hugo晩年の作品だ。

貴族の立場が問われ、農民や市民が権利を問い、王制の是非或いは共和制のあり方を模索していく『大革命』によってもたらされたものとは何だったのか…。

解説にてVictor Hugo生誕以来、社会状況や文学界のありようも大きく変化しているのに、何故今Victor Hugoなのか、という問題について辻氏曰く『日本の国状も文学も大きな変化を遂げていることは言うまでもない。そして我々がわが国の現状を考えるとき、ここに憂れうべき問題が持ち上がっているように思われる。すべての価値が金に換算され、青年層も物事を真剣に考える癖をなくしつつある。』
すなわち革命を経て、民権を確率、民主主義を発達させてきた或いはその影響を直近に感じて来たヨーロッパ諸国とは大きな相違があり、わが国のそれとは次元の違うものなのだという事を認識しなければならないと言う事だ。



…と、随分時間をかけた割りに何ともショボいpostで…(爆)。
さて、『New Mac』を鎮座させるスペースをどう作るかなどという非常に陳腐?なことに気をとられているうちに記事を書く時間がどんどん流れていってしまった。結局その鎮座スペースもXP機を「足元」に置いて、その上に板を2枚並べるというこの上なくヤッツけ&チープな発想に落ち着いてしまいそうだ…(爆)。
続きを読む
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2006年08月25日

LA SOMBRA DEL VIENTO (2)

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LA SOMBRA DEL VIENTO (2)


【主な登場人物】

ダニエル・・・・・・・・・・・バルセロナ在住、センペーレの息子
センペーレ・・・・・・・・・・ダニエルの父。古書・稀覯本店主
フェルミン・・・・・・・・・・「センペーレと息子書店」店員。元役人だったが内戦で浮浪者に
フメロ・・・・・・・・・・・・バルセロナ警察、刑事部長
イサック・・・・・・・・・・・「忘れられた本の墓場」管理人
ヌリア・・・・・・・・・・・・イサックの娘。元出版社の社員
トマス・・・・・・・・・・・・ダニエルの友だち
ベアトリス・・・・・・・・・・トマスの妹

フリアン・カラックス・・・・・バルセロナ出身の謎の作家。『風の影』の著者
フォルトゥニー・・・・・・・・帽子職人、店主。フリアンの父
ソフィー・・・・・・・・・・・フリアンの母
リカルド・アルダヤ・・・・・・バルセロナの大財閥。好色なことでも有名
ホルヘ・アルダヤ・・・・・・・リカルドの息子。フリアンの友だち
ペネロペ・アルダヤ・・・・・・ホルヘの妹
ハシンタ・・・・・・・・・・・アルダヤ家の乳母
ミケル・モリネール・・・・・・ジャーナリスト。フリアンの親友


【時代背景と物語】

1945年スペイン第2の都市、バルセロナ。当時10歳の少年ダニエルが父に連れられ『忘れられた本の墓場』で出会った一冊の本、フリアン・カラックスという古書店経営の父ですら知らない作家の著書がダニエルを数奇な運命へと誘うことになる。
その後、ダニエルが出会うことになる数々の人々とともに彼の人生に重く絡んでくるのがフリアン・カラックスの「過去」とその著作『風の影』なのだ。

19世紀末から1920年頃のバルセロナ、経済・芸術・風俗など華やかな時代を迎えまさに近代主義が開花、アントニオ・ガウディなどの建築家を輩出し新興ブルジョアの時代ともいえる日々を若いカラックスは過す。その友人たち、ホルヘやミケルとも学友であったことから親交を深めてゆく。
1936〜39年にかけて内戦が勃発、スペイン全土が荒廃し、フランコ総統の独裁が以後40年の永きに渡ってこの国の自由を奪うことになるのだが、共和制懐古・ファシズム・ボルシェビキなどなど政治体制とカトリック信仰の狭間で揺れるこの国の現実を垣間見ることができる。

作中、ヌリアの回想として新たな“展開”を見せる。
この流れを“読み”、これがダニエルの「現在」、すなわち1940〜50年代の内戦後の時代につながってゆくのである。

複雑に絡み合う“二重構造”(ダニエルとフリアンの)、ネオ・ゴシック調のディティールが本作に大きな“パワー”を与えていて、読む者をグイグイと作中のそれぞれの時代或いはバルセロナの街角にワープさせながらミステリを存分に楽しめる。また、作中ダニエルが“歩く”先ざきにバルセロナならではの建物や通りなどを思い浮かべながらの読書がこれまた楽しいのであった。

☆☆☆☆☆!
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2006年08月22日

LA SOMBRA DEL VIENTO

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LA SOMBRA DEL VIENTO / Carllos Ruiz Zafon
「風の影」上下 集英社文庫 木村裕美 訳


1964年、スペイン・バルセロナ生まれ、L.A.在住。フリーランスの脚本家としても活躍。


「道というよりも傷跡みたいな細い裏通りを、ぼくは父のあとについて進んだ。ランプラス通りのきらめきは、いつのまにか、ぼくらの背後で消えてしまった。」(本文より)
アルコ・デル・テアトロ通りでの描写だが、バルセロナ界隈の今も残る『傷跡みたいな細い裏通り』を映像で実際に観ているような気分にもさせてくれる。
「忘れられた本の墓場」で、偶然に出会った『作家フリアン・カラックス』の著書。一読してその本に魅せられる10才の少年ダニエルだったのだが、この作家の過去にまつわる謎の世界にどんどん引き寄せられて行く。
ゴシック風の重厚なミステリーといった形をとりつつ、スペインの置かれた歴史的背景や少年期特有の恋愛などを絡めた読みごたえのある作品だ。
訳者、木村氏が後書きで「軽めの消費的な小説が巷にあふれる昨今にあって、作者カルロス・ルイス・サフォンは、あえて逆の方向をとった。小手先のテクニックや修辞よりも、作品そのもののダイナミズムに賭けたのだ。」と書いているように特に一般書店に溢れる小説にこういった傾向が多いとお嘆きの貴兄も多いことだろう。そんな時のコノ一本!的作品といえるかも知れない。
ダニエルの「未来」と、謎の作家カラックスの「過去」との“交差”が読むものをワクワクさせてくれる傑作ミステリーであることは間違いない。


集英社、『風の影』専用サイト

http://bunko.shueisha.co.jp/kaze/map.html

ここでは、冒頭のアルコ・デル・テアトロ通りなど作中のバルセロナが写真と解説で楽しめる。
う〜ん、気合い十分だ。
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2006年08月19日

THE ENIGMA

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THE ENIGMA / Michael Bar-Zohar
エニグマ奇襲指令 田村義進 訳 早川書房



第二次世界大戦時、開発したナチス・ドイツをはじめ枢軸国側で軍用無線暗号機『ENIGMA』が重用されていた。タイプライター型の暗号機でタイプを打てば自動的に暗号化する。
ナチス・ドイツではV-1,V-2ロケットと共にこのENIGMAが最重要機密だった。フランスを蹂躙したナチスは、パリに指令本部を置き主要な拠点にENIGMAを設置し暗号無線でのやりとりを活発に行っていた。
英国MI6はこれを奪うべく、一人のフランス人大泥棒(ルパンのような…)を抜てきし過去の犯罪を見逃し、莫大な報酬も与えると約束、ナチ厳戒下のパリへ潜入させる。

訳者、田村氏によるとENIGMAは日本にも存在し、インパールやコヒマでの戦闘や1943年のソロモン上空での山本五十六搭乗機撃墜も行き先や日時が、ENIGMAを使った無線連絡がなされていたという。1939年初頭、ポーランド情報部がENIGMAを奪取、英国に引き渡したという事実から、英国情報部は大戦の全期間を通じて枢軸国側の機密通信を傍受・解読していたという訳だ。

1974年、F.W.ウィンターポーザムが『ウルトラ・シークレット』を世に出すまでこのトップシークレットは明かされないままだった。
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2006年08月05日

THE GODFATHER RETURNS

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THE GODFATHER RETURNS / ソニーマガジンズ
Mark Winegardner/加賀山卓朗 訳


『Godfather/Mario Puzo』の“正当”な後継者であるらしいMark Winegardner。
フロリダ州立大学で英語の教鞭を取るかたわら、鋭意執筆中。

ゴッドファーザー、ヴィトー・コルレオーネ死去後、長兄サンティーノが謀殺された経緯もあり、三男マイケルが組織を引き継ぐ。
ヴィトーの時代には決して手を出さなかったドラッグとセックス・ビジネスにも手を拡げつつ、シカゴ方面にも着々と影響力を高めつつあった。平行して、兄サンティーノをハメたとおぼしきコルレオーネ・ファミリーの幹部サルヴァトーレ・テッシオ(ヴィトーの片腕と目されたニ大幹部の一人)を殺害、敵対する組織のドンを次々に暗殺していく。

しかし、敵対組織側もマイケルの陰謀に気付き、更なるワナを仕掛け水面下の攻防が熾烈となっていく。闇の一大帝国を“表”社会で通用する組織に変革させようと、自らのファミリーの顧問トム・ヘイゲンを政界入りさせ着々と計画を押し進めて行くマイケルだが、実の兄フレドの、他ファミリーを巻き込んだ軽薄な行動や、部下との暗闘が思わぬ展開を見せ始めるのだった。
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2006年07月28日

THE SHIP THAT NEVER SANK?

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THE SHIP THAT NEVER SANK? / Robin Gardner
(なぜタイタニックは沈められたのか)1998 内野儀 集英社



1912年、英国はサウザンプトン港から超大型豪華客船タイタニックが処女航海に向かう。現在に至るまで、様々な文献や映画などが出版、公開されてきたのだが実はそのタイタニック号は替え玉(少し早く造船された、殆ど双児といっても良いオリムピック号と)ではなかったのか…。執拗な調査、資料の発掘、証言などを絡み合わせ、米国と英国の両査問委員会の欺瞞、誘導を暴き1500名以上の犠牲者を出した海難事故が本当は計画されたものではなかったのか?という興味深い内容だ。

製作費2億ドルをかけたJames Cameron監督『TiTANIC』は、その映画の出来不出来に賛否両論あるだろうが、陳腐な(少なくとも個人的には好きになれない)恋愛部分は脇に置いて船体の描写や乗組員、船客の言動などに目を向けて観れば面白いかもしれない。

Robin Gardnerが書いている“事実”とJames Cameronが描くものの差異は何処にあるのか?

ただ、映画で回想するローズ(Kate Winslet)が一旦海に落ちて(…だったと思う)が助かった確率は非常に低いと言わざるを得ない。零下2度の水中に浸かって、どれだけ人が生きていられるか?ほとんどは没して即、心臓が停止するだろうし、即死しなくても低体温でごく短時間に絶命するハズなのだが…謎。
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2006年07月20日

島へゆく

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先週末、よく晩飯を共にする山○カバ吉(仮名←当たり前)夫婦とその愛娘がいつものようにビールを提げて来てくれた。到着そうそう「取りあえずビール」が合言葉の私たちだが、その日は何を思ってかカバ吉が一冊の本を私に差し出してから「取りあえずビール」とフェイントをかけてきた。密かに私のblogを見て、英米映画と文学に偏重している感の強いのに業を煮やし取りあえずこの国の作家のものを読ませようという魂胆だったのかも知れない(笑)。で、その本がこれ「島へゆく」だ。

過去に入院生活をよぎなくされた時期があって、私が読書好きとしか認識のない見舞客がたいへんありがたいとは言えよく持参してくれたお手軽軽薄島国作家の推理物では…と冷や汗もの?と疑いをもちながら手に取ってみる、杞憂だった。そこでハタと思い出した、カバ吉は読書家でもあったのだ(爆)。



著者灰谷があとがきにしるして言う…

『今回編んだものを通読してみて、いのちが生きるというごく素朴な視点から、日本という国をながめてみると、皺滅という激流の中、ほんの一握りの良心がかろうじてこの国を人間の社会として成り立たせているという感を深くした。
よわいとされるいのちが生きるためには膨大なエネルギーがいる国である。そういう意味では優しさの通らない非情な国といえる。戦前とはまた別のファシズムが支配しているのだろう。』


彼の教師時代の生徒たちとのやりとり、作文や詩から読み取れるこの国の今がそら恐ろしい。
プチ・ナショナリズムが取り沙汰される昨今、結構優秀と目されて来た者たちの破錠を見聞きするが、著者のいう教育のあり方をもう一度考えてみるべきではないかと強く感じる。日頃、慎ましやかで相手を尊重しているかに見える一見好人物が何かのきっかけで自身の置かれた立場も深く考えず“敵”を一方的かつ執拗に攻撃するというような現場を見ることがあるが、振り返ってその行動に出た者自らが実は傲慢で自己中心的排他的要素の権化であったとは露ほども気付かないのだ。“正義”だと思い込んでいるので尚更始末が悪い。恐ろしいことだ。
今、この国の“幼児性”がプチ・ナショナリズムと融合し、非情に危ない情況だという認識を私たちは持たなければならないだろう。

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2006年07月04日

Il Rendolo di Foucault

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Il Rendolo di Foucault / Umberto Eco
藤村昌昭 訳 文春文庫 上・下



『ピラデの店では少しのアルコールの刺激が必須条件だった。市電の乗務員と上流階級の常連客のためには昔ながらの白ワインの大瓶を置いていたが、民主主義のインテリのためには従来の安い清涼飲料水やリキュール酒を銘柄の発砲ワインに、そして革命家たちのためにはそれをジョニーウォーカーに取り替えた。さらに赤ラベルからバランタインの十二年物、そして最後にシングルモルトへと徐々に変化していった。その様子と時期を記録すれば当時の政治史を書く事ができたかもしれない。』(以上、本文より抜粋)


帯びにも、【『薔薇の名前』から8年、エーコ最大の傑作長編】とあるが上記抜粋のように解る人は思わず「ムフフ…」としてしまいそうな雰囲気がこの作品には全編に漂っている。
Ecoの蘊蓄はいぜんとして、全編に胡座をかいているのだが(これが、楽しみでもある)過去の作品より肩の力のヌヶ具合が何とも心地良い。

今回は、テンプル騎士団をフィーチャー。

中世ヨーロッパの騎士修道会(Paupers commilitones Christi Templique Solomonici)。
創設されたのは、1096年第一回十字軍遠征後。武器を携ずさえ戦闘集団的、修道会の中でも最もポピュラー。王族や貴族に対する世界初の銀行経営をした事でヨーロッパ全土に権勢を誇ったが、1300年代初めに仏フィリップ4世によって壊滅される。

この作品では、2000年王国を目指したテンプル騎士団を中心に物語りが展開する。
本文のソコここに「にやっ」とくるEcoならではのユーモアと批判の精神が溢れていて誠に面白い!
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2006年06月26日

IL NOME DELLA ROSA

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IL NOME DELLA ROSA / Umberto Eco
『薔薇の名前 上・下』
河島英昭 訳 東京創元社 刊



【登場人物表】

バスカヴィルのウィリアム フランチェスコ会修道士
メルクのアドゾ ベネディクト会見習修道士、ウィリアムの弟子、老いてこの物語の書き手となる
フォッサノーヴァのアッポーネ ベネディクト会修道院の僧院長
レミージョ・ダ・ヴァラージネ 厨房係
サルヴァトーレ 厨房係の助手
マラキーア・ダ・ヒルデスハイム 文書館長
ペレンガーリオ・ダ・アルンデル 文書館長の補佐
ザンクト・エンメラムのセヴェリーノ 薬草係の学僧
ニコーラ・ダ・モリモンド ガラス細工僧
アデルモ・ダ・オートラント 細密画家の修道僧
ヴェナンツィオ・ダ・サルヴェメック 古典翻訳専門の学僧
ベンチョ・ダ・ウプサラ 修辞学専門の学僧
アリナルド・ダ・グロッタフェッラータ 最長老の修道僧
ホルヘ・ダ・ブルゴス 盲目の老修道僧
アイマーロ・ダ・アレッサンドリア 修道僧
ピエートロ・ダ・サンタルバーノ 同上
バチーフィコ・ダ・ティーヴォリ 同上
ウベルティーノ・ダ・カサーレ フランチェスコ会厳格主義派の指導者
ミケーレ・ダ・チェゼーナ フランチェスコ会総長
ベルトランド・デル・ポッジェット 枢機卿
ベルナール・ギー 異端審問官、ドミニコ会修道士
娘 谷間の村の娘


以上のような体裁の『登場人物表』なる印刷物が本作には添付されている。通常なら巻頭部分に印刷されていて、独立した添付印刷となると結構珍しいのだが…。『L'ISOLA DEL GIORNO PRIMA/前日島』同様、一筋縄でない証拠というわけか。

読みはじめて、直ぐ納得した(爆)。
あまりに登場人物が多く、それぞれに尋常ならざる癖?を持ったキャラクターなのと、名前がジョーとかメアリーでないので余計にヴェナンツィオ・ダ・サルヴェメックって誰だったか?などと考える暇にストーリーが頭の中で初期化されてしまう恐れがあるのだ。(私の場合)

何を隠そう、ドイツ語に続きイタリア語は第二外国語で履修済みであるからして大船に乗った気持ち…と行きたい所だが、如何せん覚えてない(汗)。しかし、タガログ語ならば日常会話ならお手のもの…だった。過去形が辛いが、書かない、話さないとなると人間如何に忘れるものか?という見本(何が)だな、私。
群馬県に行ったローズは、元気なのだろうか?

おっと!脱線してしまった。
はっきりいって、面白い!流石、作家の目からみてあれほど激奨していた清水哲男だったが、彼の目に狂いはなかったという事だ。
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2006年06月15日

L'ISOLA DEL GIORNO PRIMA

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L'ISOLA DEL GIORNO PRIMA / UMBERTO ECO
1994 「前日島」/ 藤村昌昭 訳 文芸春秋 刊


訳者あとがきで、藤村氏が書いている。

疲労困憊。ロベルトと一緒に『前日島』への旅を終えた者-----語り手、訳し手、読み手-----の心境を言い表わすには、この四文字熟語しか思いつかない。敢えて喩えれば、まるでタイタニックで八十日間世界一周の旅に出たダルタニアンが、宝島を目前に白鯨に激突して遭難、漂着した無人船でフライデーに出会い、彼が告白するパンセとエチカを書き写しながら創作したジキルとハイドを無理やり読まされたような、とでも。

引用が長かった?が、あまりに言い得て妙だったので掲載した。
その上、笑ってしまうくらいに同感だ。
清水哲男氏がお勧めの『薔薇の名前/Umberto Eco』が図書館になく(どう言うこっちゃ!)取りあえず、同作家のものをと選んでみた。『フーコーの振り子』か本作か迷ったのだが、どっちにしても読むんだからと安易に選んだのがこの『前日島』だ。
17世紀のヨーロッパが舞台なので、もうそれだけでバロック的暗くて深い怪しい世界。
混沌の精神世界を彷徨い、バロックのもつ不安と恐怖に苛まれるのだ。

何せ、ロベルトが実際に経験したこと、経験はないが想像したこと、書き手がロベルトの残した文章を元に推測したことなどなど、非常に込み入り錯綜するのだが、これが…読んでしまうのだ。
このUmberto Ecoという作家は、書き始めてその内容を記憶しているのだろうか?一般にはメモなどに書き留めておいて後、書き進めて行くうちに確認するとは思うのだが…。
恐ろしや、Eco。

(写真は文庫版)
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2006年05月26日

DOUBLE INDEMNITY

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DOUBLE INDEMNITY / RAYMOND CHANDLER with BILLY WILDER
WITH MARLOWE IN L.A. / WILLIAM F. NOLAN

「深夜の告白」森田義信 訳 小学館


これは、James M. Cain原作の映画「深夜の告白」のRaymond ChandlerとBilly Wilder共作のシナリオだ。1943年にCainが書いた「殺人保険(倍額保険)」がパラマウント社とBilly Wilderの目に止まり制作にかかるが、当のCainは別作を抱えていて多忙、Raymond Chandlerにシナリオ造りを要請するが、映画に無頓着、おまけに彼はCainを最も嫌いなタイプの作家と考えていたという。(編集部注参照)

今の作品ほど、複雑なプロットで驚かされる訳でなく、ごく単純な実際に起こった保険金目的殺人を扱った話なのだが、何故か40〜50年代のハリウッド映画は面白い。シナリオが"生きてる"からかも知れない。この時代特有のダンディズムが薫っているからだろうか。
シナリオを読んだ以上、これは最近発売されている廉価DVDシリーズで調べてじっくり観てみたい。


「WITH MARLOWE IN L.A.」は、William F. Nolan(古典SF小説『ローガンの逃亡』などの作者)が、Raymond Chandlerの作品で馴染み深い、作中の私立探偵Philip MarloweにNolanがL.A.を案内、Chandler作品でしばしば登場する町並みや建造物など当時の景観を観て歩くという設定。おもしろい。


『DOUBLE INDEMNITY』

Billy Wilder監督作品
原作:James M. Cain
脚本:Billy Wilder,Raymond Chandler

Fred MacMurray,Barbara Stanwyck,Edward G. Robinson,Porter Hall,Jean Heather,Tom Powers

サスペンスの基本形といえる、Raymond Chandlerとしては最初で最後の脚本代表作という評判の本作。当時、トップ・スターが殺人者役に出演するというのは非常に珍しかった時代、Barbara Stanwyckは拒まず、Fred MacMurrayは難色を示したという。「白いドレスの女」などのほうが、一般にポピュラーだったせいか、少し検索してみたがDVDが発売されているのかどうか未だ不明。(今、検索してあった!廉価版DVDで発売されていた。http://www.shnm.jp/categories/38/sort2a/page2.html)→980円也。

私好みの作品ではある。








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2006年05月23日

Instruments of Night

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Instruments of Night / Thomas H. Cook
夜の記憶 村松 潔 訳 文芸春秋

Thomas H. Cook アラバマ生れ。ニューヨーク在住。「緋色の記憶」で'97年度エドガー賞受賞。

【過去・現在・虚構--ミステリー作家の脳裡にフラッシュバックする恐怖】
三年連続ベスト10入りの実力派!
「週間文春」傑作ミステリー第2位
「このミステリーがすごい!」第七位(帯びより)


とにかく、その作品の構造が複雑である。
作中の主人公がミステリー作家という設定の為、現実の過去・現在に作家が作中で書いている物語や夢や虚構が相まって複雑にからみ合う。
体験に基づいた想像力が作り出す物語なので迫力のある筆致でそこそこの人気も獲得している作家という設定のなか、これを読んだある人間から50年前の殺人事件を調べて欲しいと依頼がくる。
彼独特の想像力を駆使した調査が開始されるのだが…。

これも、映画化の難しい物語ではあるのだが観てみたい。
それほど、巧みな構成なのだ。
しかし、世界は広いなぁ。こういう作家が出て来るから本は止められない。
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2006年05月18日

MIRACLES

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MIRACLES HAPPEN / BY BROOKE AND JEAN ELLISON

ONE MOTHER,
ONE DAUGHTER,
ONE JOURNEY

「ミラクル!/ 母娘で通うハーヴァード」田中樹里 訳 文芸春秋 刊


Brooke & Jean Ellison 1978年、ニューヨーク州ロング・アイランド生れ。交通事故で首から下が麻痺し、人工呼吸器と車椅子生活が始まったのが11歳の頃。以来、母Jeanの介助で普通中学、高校を修了、ハーヴァード大学に進学、母と寮生活を送り四肢麻痺の学生として初の最優等で卒業した。現在、講演活動を行っている。

事故に遭遇したのが、晴れて中学生としてスタートを切ろうとする当日。
日頃、野球にサッカー、チェロ、空手にダンスと特別、行動的だった11歳の少女にある日突然身に降り掛かった恐ろしい現実。何もかも順調に見えた家族にとっても事故を境として生活が一変してしまうのだった。
しかし、希望を捨てず前向きな姿勢と強い意志をもって突き進んでいくBrooke Ellison。それを見事に支える母、Jean Ellison他、姉弟や祖母、父のEdwardら家族と叔父さん夫婦に近隣の人々。なんと素晴らしいのだろうか?

過去に親父がクモ膜下出血で倒れ、長い入院生活のあと自宅療養となったのだが、その頃には認知症が少しずつ現れ、徘徊なども経験した。亡くなるまでの数年間、あまり熟睡する事もなく介助してきたお袋も私も当時は疲れ果てたことを思い出す。
精神的にも肉体的にも大変だが、経済的にも打撃は大きい。
しかし、現実社会ではどうだろう?医療制度、福祉行政、年金制度の改悪を見るに付けコノ国はどうなってしまうのか?と考えている自身に気付く。
せめてもの救いは、そう言えば親父の笑顔だった。
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2006年05月16日

山本 宣治

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【HENRY・山宣の青春物語 / 樺朗 / 宇治山宣会】
山本宣治カナダ時代の軌跡


『1929年3月5日夜、お雇いテロリストの兇刃が彼の心臓を抉り戦争反対、暮らしを守れの声を圧殺し、抗議行動の自由をも刺し貫いた。早朝の宇治は白銀の世界であった。…』

宇治山宣会顧問の小田切明徳さんが出版…と京都新聞に掲載された。この宇治山宣会事務局は宇治市職員労組にあるという。
私がココに取り上げたのは、労組支援の為でも逆に保守系を後押しする為でもない。
山本宣治という個人に興味を持ったからに他ならないのだ。

青春期に単身カナダに渡り、同志社、京大、東大と苦学をし、普通選挙で当選。日本が戦争への道に向かう中、治安維持法に反対し刺殺された。

作品は三部作の第一部。彼が思想の『原型』をカタチ造ったカナダでのエピソードを取り上げ、挫折を経験しながらも自分の生き方を追い求めた山宣の人となりを物語る。

実を言うと、本日昼に送られて来て未読なのだ(汗)。
上手くいけば、明日中に読み感想はまた、後日(爆)。


【STAY WITH ME / Icikawa Ai】


『真夜中のドア』を唄ってる。これもまだ、未聴(汗)。


【OCEAN'S TWELVE】


Steven Soderbergh監督作品。

George Clooney,Brad Pitt,Julia Roberts,Catherine Zeta-Jones,Andy Garcia,Matt Damon,Bernie Mac,Vincent Cassel,Don Cheadle,Eddie Jemison,Casey Affleck,Shaobo Qin,Elliott Gould,Scott Caan,Carl Reiner,Bruce Willis,Albert Finneyなどなど、今をときめく俳優陣。

理屈なんか無しにして、おもっきり楽しんじゃおうって感じの作品だ。
こういった、乾いた感覚の映画って邦画には無いよなぁ…。


しかし、この三題みただけでも何とも支離滅裂。



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2006年05月12日

Fourth Street East

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Fourth Street East / Jerome Weidman

東四丁目 常盤新平 訳 紀伊国屋書店


Jerome Weidman、オーストリアとポーランド国境付近、寒村生れでユダヤ人の父とハンガリー生れの母がニューヨークのユダヤ人居住地域で出会い、この世に生を受けたのが1913年4月4日。
十七冊目の長編にあたるのが「Fourth Street East」だ。

父、ジョゼフ・タデウス・アイザック・ワイドマンはアレン・ストリート界隈の紳士服縫製工場(所謂、酷使工場"スウェット・ショップ"で衣類製造業"クローク・アンド・スーツ"をして永年勤め上げた)で働きながらヴォランティアで同胞の移民受入れ手続き(当時、書類や証明書の類いは非常に複雑だった上に細かい記述などが要求された)に携わり続け、アメリカにようやくたどり着いても行先や言葉、住居など煩雑な問題が山積する移民たちを懸命に支えた。それには資金も必要となるのだが、低賃金の彼には到底賄えないために街中を寄付を募りに歩き回るなど、ある意味献身的な行動をライフ・ワークとしていたのだ。同胞には、その私利を求めない実直な生き方に理不尽にも小馬鹿にされながら…。

そんな父を持つ、幼いワイドマンが肌で感じたニューヨークの下町を語る作品だ。
貧困の中にも、この時代を生きたユダヤ系移民の暮らしぶりや風俗、かつてのニューヨークの有り様がつぶさに綴られ、興味深い。

大戦、大恐慌の嵐の中、ひたむきに生きるユダヤ系移民の異国での生活はけっして楽なものであるハズも無くこの時代の"現実"を読者に知らしめてくれる、作者の自伝的長篇だ。
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2006年05月11日

JAZZ LIFE

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「JAZZ LIFE YEAR BOOK 2003」

ジャズライフ2003年1月号別冊付録
ジャズ・ディスク・カタログ2003
国内新譜・再発CD
VIDEO・DVD/輸入盤・海外盤


以前からこのようなカタログを見て、CDやDVDを購入した経験は無いしネット通販が発達して購入経路も多様化してきた現在では余計に参考にするケースはなくなってきたように感じるが、じっくり目を通してみると意外におもしろい。
amazon,HMVといった大手やCDbabyといったインディーズに強いサイト、欧米のショップに直接発注とクリック一発で、即購入という簡単、便利な手法が一般的になっているが、地方に居住している人たちにとってもこれは大変有り難いことだ。
東京一局集中がこういった分野にも影を落として久しいが、音楽CDなどを購入したい消費者にとっても他人事ではなく、大型専門店の進出を望むべくもない地方にとってはネットが唯一の"現在を知る"道になってしまったと言っても過言ではないだろう。ホントはあれこれ、ジャケットを手に取って物色したいのは山々なのだが…。
で、人によっては(泥さんのように)東京出張の折りに「チャンス!」とばかりに仕事そっちのけ?で中古盤専門店や大型店鋪に勇躍駆け付け時間を惜しんで一気買いするのだ。(わはは)

そんな風に購入形態まで変化してきた昨今、上述の所謂「カタログ」に頼ることは非常に稀になってきたように思う。
しかし、Jazz Life誌におもねる訳ではけっしてないのだが、じっくり読んで見るとこれが結構おもしろかったりするのだ。(半斥さんなどは通読してるかもだけど)
この'03別冊で、最近私が記事として書いたもの、池上さんやミュージシャンご本人に登場或いはコメント頂いた中、関係するものをチェックしてみた。


【☆渋谷毅 (p) 「アフタヌーン」 徳間ジャパン】

昨年('02)評判を呼んだ森山威男とのデュオ「しーそー」の何とも面白いオマケとして誕生した新作。優しいタッチの向こうにひとりの音楽家渋谷毅がいる。

【蒲池猛 (key)「スプレッド」 TBMレコード】

シャープなフラッツでの活躍が知られるヴェテラン・ピアニスト蒲池猛の初のリーダー作。稀少な才能が日米の仲間達のサポートで見事に花開いた。
スペシャル・ゲスト=ヒューバート・ロウズ(fl)、☆峰厚介(ts,ss)

【☆峰厚介 (ts,ss)「サンシャワー」 ユニバーサル】

☆峰厚介が新境地を開拓した。いかにも70年代的なさっそうたるエレクトリック・サウンドが満載された作品。「再発盤」

【☆峰厚介 (ts,ss)「ソリッド」 ユニバーサル】

サックスにワウワウ・ペダルを付け、新たな世界に挑戦していた時代の☆峰厚介を記録した'75年のライヴ・レコーディング作。

【☆峰厚介 (ts)「アウト・オヴ・ゲイオス」 ユニバーサル】

アルトをメイン楽器にしていた☆峰厚介がテナーに専念、テナー1本でエネルギッシュに吹きまくった1974年のエキサイティングな作品。

【☆宮之上貴昭 (g)「ライヴ・アット・ザ・きりきりぶらうん」 SFC Record】

ウェスの流れを汲むフィンガー・ピッキングによるジャズ・ギター・スピリッツを継承・発展させ続けている☆宮之上貴昭のライヴ・アルバム。

【綾戸智絵 (vo,p)「マイ・ライフ」 イーストワークス】

綾戸智絵の9枚目。2年ぶりのスタジオで"歌"と"自分"の存在を掘り下げた意欲作だ。
☆宮野弘紀(g)他

【綾戸智絵 (vo,p)「BEST」 イーストワークス】

綾戸智絵全開!強烈な個性がさらに際立つ、デビュー5周年記念ベスト盤。
☆宮野弘紀(g)他

(以上、ジャズライフ'03別冊カタログより抜粋)


☆マークが付いているアーティストが『tori's triangle』にご登場或いは、関連してご紹介頂いた人たちだ。
いやはや、唯驚く私なのであった。凄いことになってきたなぁ(遠い目)。
今回紹介した『Jazz Life』別冊に掲載されていたものをピックアップしただけだヨ(汗)。
何だか、ある意味責任を感じて来た今日この頃だったりして…。

昔は、巷の商店街にジャズ好きのおじさんがやってる小さなレコードショップなんかがそれぞれあって、何処の地域の商店街にいってもお目当ての店があったものだが、量販店やネットに押されて無くなっていく一方なのが淋しい限りだ。中には生き字引のようなおじさんがやってるショップもあって、ミュージシャンに影響を受ける前にショップのカラーに影響されるなどという強力な小さなショップもあったのだが…。

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2006年05月07日

秘密の京都

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秘密の京都(京都人だけの散歩術) 入江 敦彦 著 北畠 健三 写真 新潮社



流石、美大出という以上にこの人の宗教美術に対する造詣は深い。
その蘊蓄だけでも、一冊本が完成するだろうけれどそれだけで終わらないのが入江氏の著作だ。
千本釈迦堂から平安神宮、今何かと話題の一澤帆布、鳩居堂本店に晴明神社、外山書店と留まるところを知らないかのような歩き廻ることから始まる入江ワールドだ。

…京女。「きょうじょ」と読む。
 東山七条と聞いて『京都国立博物館』『三十三間堂』を思い浮かべる男は京都人ではない。われわれは京都女子中・高校・大学をひっくるめた京おんなのブランド京都女子学園グループ、略して「京女」を、さらに正確には「女坂」を瞼に映す。東大路七条から「智積院」と「妙法院」の間の坂道を東に向かうと坂道に沿って京女キャンパスが建ち並び、登下校時には小学生から大学生まで約八千六百人のさまざまな京おんなが愉しめ……観察できる。(作中より抜粋)

平気でこんなことも書いてしまうのだ。
しかし、京都に住んでいれば誰しも知っている「秘密の京都」かも知れない。
個人的に言わせてもらえば、マイ・フェイバリットは「平安女学院」だったけど…私は(爆)。

で、こんな話しからいきなり、「豊国廟」(豊臣秀吉の墓)や「今日吉神社」に飛び込んで行くのだ。

入江氏のお陰?で、私もゆっくり京都を歩いてみたいと最近、思うようになってきた。
先日も烏丸松原下ルの「PARKER HOUSE ROLL」までブラブラとしてみて、俄然「良いジャン」って気になってしまい帰りも御池まで、松原通りや寺町界隈を歩いたのだが歩くからこその発見があるし、京都ならではの?が、これまた楽しい。

明日(アップ時には今日)、少し早めに家を出てまたまたブラブラしてみようと思っている。ぶらぶらと市中散策の後の峰厚介さん、渋谷毅さんのDUOを楽しめるなんて何と私は「京都人」してるんだろ…わはは。
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2006年05月05日

時間の澱

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時間の澱 / 多賀山日記と九つのエッセー
清水 哲男 再海社 刊


表題の「多賀山日記」とは、清水が2000年9月24日〜'02年10月10日までに友人、知人、読者など希望する人たちに配信してきたメール・マガジンだ。
これに加筆、エッセーをプラスして出版したのが「時間の澱」だ。
因みに、依然として現在も続いているメル・マガである。


【一杯の酒のために】

 京都、寺町三条下がるにサンボアというバーがある。鹿児島に引っ越すまで、街中の本屋やレコード屋をほっつき歩いては、帰りによく寄った。ぼくはここで酒の飲み方を教えてもらった。ぶっきらぼうな親父がいて、ちょっと恐い感じがしなくもないが、とても心地のいい時間と空気で満ちていた。
 お洒落なインテリアも、小粋なジャズも流れていない。仕事帰りの常連のおじさんたちが、にこやかに酒を楽しんでいる。なんとなくみんな酒が好きで、酒を楽しんでいる。何よりも安い。そんなバーだった。
 その親父が、どんなふうに恐かったかというと、ぼくが叱られたことを列べてみよう。
「カウンターに肘ついたらあかん。カウンターの前のバーからこっちは、わしの仕事場や」
「ジントニックは二杯まで。バーで酔っぱらうのは最低やで」
「シェーカー振ってるときにオーダーせんといてんか。何してるか見たらわかるやろ」
「プロの前で通ぶって蘊蓄並べたらあかん」
しかし、幸いなことに「帰れ!」と怒鳴られたり、つまみ出されたことはない。
 鹿児島で同じようなバーをさがしてずいぶん歩き回ったが、どこも期待はずれだった。バーとは名ばかりで、満足にカクテルもつくれないようなバーテンが、すまして立っているのがほとんどだ。比べるのが無理なことかもしれない。
 一杯の酒のためにいのちをかけるようなバーテンは、あの親父以外お目にかかったことがない。

2000年11月11日 多賀山日記より転載


何度か、このblogでも紹介し、リンクもしている我が酒飲み友達清水が、印象に残ったこと、目にして頭に来たこと、取材で訪れた離島の話しなどなど日記形式で配信している「多賀山日記」。
「久しぶりに、サンボア行こか?」なんてお互い言ってたが、親父さん亡くなってしもたで…。店は跡継ぎが頑張っているけれど。

1954年京都市生まれ。同志社大学文学部哲学科卒。
いつも、「地べた」をみつめながら歩き回り、書き続けるのが彼のスタイル。←どうよ?最近?


1997年より鹿児島市在住。


ON THE ROAD / 旅の記憶

http://www.bitby-bit.com/%7Esimizu/



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2006年04月29日

ほんまに京都人だけが知っている

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ほんまに京都人だけが知っている / 入江 敦彦 洋泉社刊


『町家を破壊する最大の敵はむろん老朽化には違いないが、厳しい京都の気候や害獣、害虫、あるいは不測の天災以上に深刻な問題がある。
いうまでもなく行政による人害である。お役人さんに罪はない。みんな、おのおのの職分を真面目に果たそうとしているだけだ。
けれど、それだけでは京都ではダメなのだ。
かつて、その盆地構造から"実験の場"として最適と見做され、原爆投下予定地筆頭だった京都は、それでも文化財への配慮を理由に難を逃れた。
戦時下のアメリカでさえそういう措置がとれたのに、この街の行政ときたら決定は決定とばかりに平然と原爆を洛中に落としてしまう。』(作中より抜粋)



軽妙で物事ハスカイに見ながら、入江さんってばちゃんと真正面から捕らえるアンテナをお持ちだ。
これは、世代が近いからだろうか?かつて蜷川府政(革新府政)を実地体験したからなのか?

現在の東京大学、私も常々思うのだがコノ大学ってのは、「へっぽこ官僚予備校」だったのか?って事。
京都在住だから言うんじゃないのだが、それに比較して京都大学のかつてはそれこそアカデミック、統べてはチーム・アップなどという昨今では無くて、とてもとても個人主義で学部の方向性なんか完全に無視した研究まで為されるようないわば「判官贔屓」的カラーがあった…と思っていたのだが、入江氏も同じような感想をお持ちだったようで、似たような事を書かれていたので余計に→全部、読破って事になったのである。

我がblogにお越しの方々には、そりゃもういろんな立場の人がいるハズ。
だから、ホントはこの人の著作を毎日でも更新したい気持ちなのだが…それはちょっと…ってことでもあるし、モットーの「支離滅裂」からも反するのではないかとの意見も巷で出そうなので小出しに…(汗)。


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